「すき」なのに、「こわい」
好きで付き合っているはずなのに、その人といると、なぜか苦しい。顔色をうかがってしまう。「怒らせないように」と、いつも気をつかう——。
もし、そんな気持ちに心当たりがあったら。それはあなたの気のせいでも、わがままでもありません。「デートDV」かもしれません。
デートDVって、なんだろう
デートDVは、恋人からの暴力や支配のこと。でも、根っこにあるのは、とてもシンプルなことです。
ふたりが「対等」じゃない——どちらかが上で、どちらかが従う。その関係から生まれます。
じつは、これは相手が誰かで、呼び名が変わるだけなんです。友だちどうしなら「いじめ」、親子なら「虐待」、そして恋人どうしなら「デートDV」。本質は、ぜんぶ同じ。「対等じゃない」ことです。
こんなサイン、ない?
支配には、大きく分けて5つの形があります。
- からだ(身体的):たたく、ける、物を投げる
- こころ(精神的):暴言、無視、「別れたら死ぬ」と言う、勝手にスマホを見る
- つながり(社会的):友だちやバイトを制限して、自分だけの世界に閉じ込める
- おかね(経済的):デート代を全部おごらせる、お金を取り上げる
- 性(性的):いやなのに性的なことを迫る、避妊に協力しない
ひとつでも「あるかも」と思ったら、立ち止まっていいサインです。
「好きだから、我慢しなきゃ」と思っていたら
好きだから、嫌われたくないから、断れない。我慢しなきゃ——。その気持ちは、とてもよくわかります。
でも、ちょっと考えてみてください。もし、あなたの友だちが同じことで悩んでいたら、あなたは何て言いますか?
きっと、「我慢しなくていいよ」「断っていいよ」と言うはずです。それは、あなた自身にも、まるごと当てはまります。
そして、もうひとつ。あなたの「イヤ」を嫌がったり、怒ったりする相手は、あなたを大切にしていない、ということ。あなたを尊重してくれない人との関係は、少し立ち止まって考えていいんです。
別れるのに、相手のゆるしはいらない
これは、はっきり言います。関係をやめるのに、相手の「いいよ」は必要ありません。 あなたの気持ちだけで、決めていいんです。
もし「別れたら何をされるか怖い」というときは、ひとりで決めず、次の相談先を頼ってください。
こまったら、ここへ
ひとりで抱えこまないで。相談したことが、相手や周りに漏れることはありません。
- DV相談ナビ #8008(はれれば)……電話すると、近くの相談センターにつながります
- DV相談+(プラス) 0120-279-889(つなぐ・はやく)……電話は24時間。チャットやメールでも相談できます
(※電話番号やサービスは変わることがあります。使う前に、公式サイトで最新をたしかめてください)
おわりに
「すき」と「こわい」は、本来、まざり合う感情ではありません。
あなたが、安心して、自分らしくいられること。それを大切にしてくれる人との関係が、ほんとうの「すき」です。あなたには、それを選ぶ力があります。
ことばのせつめい
- デートDV
- 恋人(付き合っている相手)から受ける、暴力や支配のこと。「ドメスティック・バイオレンス(DV)」の、恋人どうし版です。